妄想電車
妄想電車
前回の【妄想電車】が出社編でしたので今回は帰宅編を寄稿します。暫く、お付き合いお願い致します。
私は現在、時差出勤をしているので午後5時に退社しています。名鉄金山駅に着くのが5時12分ごろです。プラットホームには元気溌剌専門学校生や大学生、私と同じような時差出勤組の疲れた中年サラリーマン、帰宅後も家事が待ち構えているパート主婦と思しき女性達がいつもの様に同じ番号に並んでいます。
私の乗る電車は5時20分のセントレア発岐阜行き特急八両編成です。列車がホームに入線しドアが開くと、セントレアから乗車した旅行帰りの乗客が、大きなキャリーケースをゴ
ロゴロ押しながら降りてきます。降りる速度が遅い‼ そんな時、私は、頼むから指定席車両に乗ってくれよ。ミューチケット360円ケチるなよと思ってしまいます。
車両に乗り込むといつもの座席にいつもの人が座っています。おそらく私の付近の人は
どの人がどの駅で降りるかを全部把握しているのでしょう。同じ人の前にいつもの人が立っています。まるで獲物を狙うライオンの様にじっと名古屋駅に着くのを待っています。
名古屋駅に入線して降車側のドアが開き、やっぱり降りる速度が遅いキャリーケース組を蹴散らす様に、乗車側の開いたドアから席を確保しようと、脱兎のごとく乗客が乗り込んできます。
ここで私がいつも特に気を付けている事は、ヘルプマーク、マタニティマークを付けている人の確認です。スマホに夢中になっていると気が付かない事があります。皆さんもそういう人を見かけたら席を譲ってあげて下さい。
地下駅の名古屋駅から地上に上がり、すっかり夜の帳が下りた街の間を縫うように電車がレールを滑らせていく。車窓から見える明りの点いたマンションの部屋、家々。
電車は前を行く普通電車に続き国府宮駅に入線。電車から降りて普通電車に乗り換える人、改札口を出て居酒屋に流れる人、月極駐車場から自家用車に乗って帰る人、自転車で帰る人、徒歩の人。
それぞれの一日が終わり、自宅の玄関ドアを開けるのです。
お付き合いいただきありがとうございました。
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M.S